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こんにちは。
危険なビーナスを読んで、「さすが東野圭吾作品」というのが一番の感想でした。
単行本の帯には
「弟が失踪した。彼の妻の楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である夫の家族に近づく。兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てばたつほど彼女に惹かれていく。」
このように記載されており、「人間ドラマメインの事件解決ものかな?しかも弟の奥さんに惚れちゃうの?」なんて予想を立てました。
しかしそこは東野圭吾作品。そんな簡単なものではなかったです。
一番ややこしいのは登場人物の複雑さです。
そのあたりをふまえて、危険なビーナスのあらすじネタバレを徹底的に解説します。
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Contents
危険なビーナスのネタバレやあらすじを簡単に紹介
動物病院で院長代理として勤務する伯郎(はくろう)は、ある日突然、疎遠になっている異父弟・矢神明人(やがみあきと)の妻と名乗る楓(かえで)から電話を受ける。
明人と楓はお互い家族にも知らせずに極秘結婚しており、仕事の滞在先であるシアトルから一緒に帰国したが、帰国後すぐに明人は書き置きを残して行方不明になってしまったという。
明人の失踪には矢神家が関与しているのではないか?と疑う楓に「一緒に矢神家に行って欲しい」と懇願された伯郎は、縁を切りもう戻ることはないと思っていた矢神家に再び関わることになってしまう。
矢神家に接触を繰り返すうち、これまで知らなかった矢神家の人々の驚くべき秘密が次々に明らかになっていく。
と同時に、美人で明るく奔放な楓にどんどん惹かれていく伯郎。
伯郎と楓は明人の失踪の謎が解けるのか?
伯郎の楓への想いはどのような結末を迎えるのか?
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危険なビーナスのネタバレやあらすじを結末まで紹介
ここからはネタバレも含みますので、未読の方は注意してくださいね。
登場人物が非常にややこしいので、相関図も参考にしていただければと思います。
登場人物の相関図をネタバレ
矢神康之介(明人の祖父)があちらこちらに子供を作ったものだからまぁややこしいです。
そりゃ遺産相続でもめるでしょって感じですよね。
これから読むという方、読んでいる途中という方はぜひこちらの相関図を横目に読み進めていただけたらと思います。
伯郎と異父弟・明人の子供時代
売れない画家だった伯郎の父は、伯郎が5歳の時に脳腫瘍で他界。
数年後、母・禎子が選んだ再婚相手は、矢神総合病院の副院長で大変な資産家一族の長男・矢神康治だった。
母の再婚から3年後、伯郎が9歳の時に異父弟である明人が生まれる。
明人は矢神家の跡取りとして徹底的な英才教育を受けたが、それ以前に明人は幼い頃から記憶力や感性、空間認識能力などがずば抜けて優れており、凡人ではないことは誰の目にも明らかだった。
もともと養父である康治とは距離を置いていた伯郎。
康治は実子の明人と同様に伯郎にも十分な生活・教育環境を与えていたが、やはり居心地の悪さを感じていた伯郎は大学受験を機に家を出る。
両親への反抗心から、専攻したのは医学ではなく獣医学だった。
大学に入学してまもなく、伯郎は母・禎子にも相談せずに自分の苗字を矢神から手島に戻した。
母・禎子の死
大学4年の時、康治からの電話で母の死を知った。
矢神の家ではなく、禎子の実家の風呂場での溺死と説明された。
当時、現場には禎子以外誰もおらず、鍵が内側からかかっていたことから不幸な事故死と結論付けられた。
何となく腑に落ちずもやもやしていた伯郎と同様、中学生だった明人も母の亡骸を見ながら「家の合鍵なんて誰でも作れる」と、意味深な言葉を残している。
母の死以降、伯郎と明人は疎遠となる。
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伯郎と楓の出会い
ある日突然伯郎の勤務先に楓から電話がかかってくる。
楓は異父弟・明人の妻であると名乗り、明人が数日前から行方不明だという。
伯郎はもともと明人とは疎遠だったので、自分には何もわからないし協力できることもないと言うが、楓から「矢神家に一緒に行って欲しい」と懇願される。
明人が残した書き置きに「もし自分がしばらく戻らない場合には父の見舞いに行って欲しい」とあったからだ。
父・康治は末期の膵臓がんであり、今回仕事の滞在先のシアトルから帰国したのも父を見舞うことが目的だった。
母・禎子の死後完全に縁を切っていた矢神家に行くことは気が進まなかったが、結局協力することに決めたのは、楓に強引に押し切られたこと以上に、伯郎はすでにこの時から楓に惹かれて始めていたのだった。
矢神家の衰退
伯郎は楓とともに約20年ぶりに矢神総合病院を訪れたが、その姿は伯郎の記憶とは異なるものであり、明らかに衰退していることが見て取れた。
ほとんど意思疎通の取れない末期状態の康治に付き添っているのが妹の波恵一人だけだと聞いた楓は「お義父様の看病を一緒に手伝いたい」と申し出る。
波恵からは「自分の一存では決められないから」と近々開催予定の親族会への出席を打診される。
親族会では、当主である康治の死が近いことから、遺産相続について相談される予定だという。
康治の直系である明人本人がいない(仕事で帰国できないということにしている)のであれば妻の楓が出席するしかない。
またしても楓に懇願され、本来矢神家の遺産相続には無関係である伯郎も親族会に出席することになってしまった。
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親族会
矢神家の親族会に出席した伯郎と楓。
そこにはどろどろとした人間関係が渦巻き、誰もが遺産を少しでも多く手に入れようと目論む姿があった。
矢神家の遺産問題には無関係なはずの伯郎がこの親族会に出席した目的の一つには、亡き母・禎子の遺品を確認したかったからでもあった。
母の遺品として残されていたものはあまりにも少なく、他のものは勝手に処分されたのか?と違和感を覚える伯郎。
また、母の妹・順子からは「あの家がどうなったのか確認した方がいい」と指摘される。
あの家とは、禎子が事故死した実家のことであり、名義は禎子だったというのだ。
禎子の死後、更地になった写真が送られてきていたが土地はどうなったのか?禎子名義のものなら伯郎にも相続権があるはずなのだ。
一方、親族会で楓のことを気に入った勇麿(矢神康治の異母弟)は急速に楓に接近していた。
矢神家の人間が明人の失踪に関わっているのではないか?と疑っている楓は、下心が見え見えな勇麿からの接触にも応じ、その様子にやきもきする伯郎だった。
取り壊されていなかった家
「あの家がどうなったかきちんと調べた方がいい」と順子に言われ、楓とともに現場を見に行くことにした伯郎。
更地になっているとばかり思っていたその場所には、かつての伯郎の記憶そのままの家がまだ建っていた。
意味がわからないままに、明人が所有していた鍵を使い、その家に侵入してみる二人。
その家は長年空き家だったとは思えない様子で、掃除が行き届いていることに加え、さらに驚くべきことに電気も通っていた。
その家には禎子の遺品が数多く残されており、矢神の家に禎子の遺品が極端に少なかった理由も納得であった。
そこに、管理人と名乗る男が現れる。
男は、康治から依頼されてこの家を管理していると言い、明人にも何度か会っているという。
なぜこの家を残しているのか?
なぜ取り壊したと嘘をつき、わざわざ更地になった偽写真を送ってまで家の存在を隠しているのか?
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佐代の告白
伯郎は確認したいことがあり、佐代(矢神康之介の愛人)がママを勤める銀座のクラブに出向く。
簡単に口を割らない佐代に伯郎は切り札を提示し、その結果今まで知らなかった新事実を多数知ることになる。
新事実の一つに、伯郎の父・一清が脳腫瘍に苦しんでいた晩年、医師である康治から症状を和らげるために特殊な治療を受けていたというものがあった。
脳に電気を流すその治療により、一清の苦しみはいくぶん改善したものの、その頃から一清は今までと明らかに異なるタイプの絵を描くようになったという。
その後一清は脳腫瘍の悪化により死亡したが、康治と禎子は一清の治療をきっかけに知り合ったのだということも、伯郎にとっては初めて知る事実だった。
矢神康治の研究内容
これまでの伯郎と楓二人の調査から、一清は晩年に康治から受けた電気治療によりサヴァン症候群を発症したのではないかと推測していた。
サヴァン症候群とは、知的障害や発達障害等のある者の内、ごく特定分野に限って優れた能力を発揮する者の症状を指す。
引用:wikipedia
本来サヴァン症候群は後天的に発症するものではなく、康治の電気治療によって偶発的に発症したと考えられた。
康治は他にも同様の症例がいないか全国を探し回り、数人の患者を見つけ出している。
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勇麿との共闘
行動を共にするうちにどんどん楓に惹かれていく伯郎は、ついに仕事にも支障をきたすようになる。
そんなある日、楓と勇麿が動物病院を訪れる。
勇麿は独自の調査で明人がシアトルにいない=つまり楓や伯郎が嘘をついているということを突き止め、その事実を楓に突き付けた。
その結果、楓はほぼすべての事情を勇麿にしゃべってしまっていた。
勇麿を恋敵さながらライバル視している伯郎だったが、不本意ながら勇麿と一緒に事件の解決を目指すことになる。
勇麿の目的は、「後天性サヴァン症候群」に関する研究論文だった。
牧雄の話
伯郎、楓、勇麿の3人は牧雄(康治の異母弟)の元を訪ねる。
牧雄は神経生理学の研究者であり、当時の康治の共同研究者でもあったので詳しい話を聞くことが目的だった。
牧雄から聞いた話。
- 一清への電気治療は奏功したが、副作用としてサヴァン症候群を発症したこと
- 一清の死により研究を継続できなくなったこと
- 同様の症例がないか全国を探し回ったこと
ただ一つ、牧雄もわからないことがあった。
当時の研究資料がどこにも見当たらないということだった。
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研究資料の隠し場所
牧雄の話を聞いた時点で、3人は「研究資料の隠し場所は禎子が亡くなった家ではないか」と予想していた。
3人はさっそく捜索に向かう。
手分けして家中を探した結果、勇麿が「後天性サヴァン症候群の研究」と書かれた資料を発見した。
しかし、発見した場所を聞いて、伯郎は違和感を感じる。
「そこは前回確かめたはず」
とにかく見つかったんだからいいだろうと勇麿に促され、家を後にする3人。
しかしどうしても納得がいかない伯郎は、運転しながらも思い巡らせ、はっと気づく。
車を停め、徒歩で戻る伯郎と楓。
しばらく家の様子を伺っていると、明かりがついた。
伯郎には、誰が中にいるかもうわかっていた。
絵に魅了された男
家の中にいたのは兼岩兼三、順子の夫だった。
30年以上前の話である。
数学者である兼三は、一清が電気治療を受けてから描き始めた絵に目を奪われた。
それは、『ウラムの螺旋』と呼ばれる素数分布図に似て非なり、作品名は「寛恕の網」と言い、人間業とは思えない恐ろしいほどに精緻な図形だった。
数学者だった兼三にとってその図形は衝撃的であり、数学界のみならず人類にとって未だ解明されていない素数の謎を解き明かすものだった。
兼三はその絵の完成を楽しみにしていたが、完成を待たずして一清は亡くなってしまい、絵の行方もわからなくなる。
一度はあきらめた兼三だったが、十数年後にとあるきっかけから、絵がまだあるかもしれないと思い立った兼三は、禎子順子姉妹の実家に忍び込み家探しをするようになる。
何度目かの家探しの途中、禎子に見つかってしまい、もみ合いになって禎子を殺害。
その際、「後天性サヴァン症候群の研究」の資料も持ち出し現在まで保管していた。
禎子の死後、更地になった写真を見て家は処分されたものと思っていた兼三は絵のことは諦めていたが、伯郎や楓の登場により、家がまだあることを知る。
伯郎たちが探しているのは研究資料であって絵ではないので、研究資料が見つかれば家から離れるだろうと考え、比較的わかりやすい場所に研究資料をしのばせ、勇麿がそれを発見したのだった。
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失踪の真相
伯郎に見つかり過去の殺人を告白した兼三は家に火を放ったが、伯郎たちは無事避難することができた。
消火活動を見守る伯郎の元に現れたのは、失踪中だったはずの明人だった。
状況が飲み込めない伯郎が明人から聞かされた真相はこうだ。
- 父・康治の容体悪化の連絡を受けて帰国したら空港で警察官が待っていた
- 明人を拉致、監禁しようとしている人物がいると聞かされる
- 犯人特定のため、おとり捜査を行うことを提案される
この拉致監禁を目論んでいたのは兼三だったわけだが、兼三は明人の妻と名乗る女性が現れたことで混乱していたものの、警察のおとり捜査に引っかかっているとは微塵も思っていなかった。
伯郎の恋心の行方
警察署で明人から状況説明を受けている最中、伯郎の前に現れたのは、制服姿の楓だった。
楓は明人の妻でもなんでもなく、おとり捜査のための潜入捜査官だったのだ。
晴れて、「弟の嫁に恋心を抱く男」ではなくなった伯郎。
二人の恋はこれから始まるかも・・・?
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東野圭吾らしいどんでん返しが痛快な作品
危険なビーナスは、ただの人間ドラマと謎解きだけでは終わらない、東野圭吾らしい作品です。
登場人物の関係が複雑ですが、それぞれとても良い味が出ていて、相関図を見ながら読めばもっとわかりやすかったかなぁと思います。
東野圭吾作品に共通している気がしますが、登場する女性は美人でチャーミングな方が多いような気がします。
男性の願望でしょうか(笑)
楓に振り回される伯郎の様子など、男性は共感できる部分も多いようですし、恋愛に関しては中学生レベルなのに職業は立派な獣医さんというギャップも人間らしくて良いなと思いました。
最後のどんでん返しでは「そう来たかー!!」と思わず声に出そうになりました。
まだ未読の方はぜひこの東野圭吾ワールドに浸ってみてくださいね!
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まとめ
今回は東野圭吾さんの「危険なビーナス」のネタバレあらすじを紹介しました。
伯郎と楓の恋愛要素もありつつ、二人で協力して事件を解決していく、それはその通りなのですが、それだけではなく「フラクタル図形」や「ウラムの螺旋」などの登場がまさに東野圭吾っぽい!です。
伯郎の惚れっぽいところや感情が表に出すぎるところなどは、女性の私としては読んでいて「ちょっと落ち着いてー!」と何度も言いたくなりましたが(笑)
登場人物の人間関係が複雑すぎて、誰が誰だかわからなくなって何度もページを戻ったりしましたが、それぞれが重要な役どころなのも東野圭吾っぽいなぁと思いました。
まだ未読の方はぜひ読んでみてくださいね!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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実子と変わらない環境を与えられていたのは恵まれていたと思いますが、それでもやっぱり居心地は悪いですよねぇ、そりゃ。