【美しき凶器】あらすじやネタバレ!犯人の行動についての考察や感想も紹介!東野圭吾

美しき凶器の表紙画像

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1992年に発売された東野圭吾さんの『美しき凶器』

 

東野圭吾作品の中では初期の頃の作品ですが、読み手をドキドキハラハラさせながらページをめくるのをやめられなくする東野マジックはこの頃から発揮されていたのだと感じさせられます。

 

東野圭吾さんの作品は映画やドラマなど映像化されているものも多くありますが、美しき凶器は2019年11月現在は映像化されていません。

 

映像化されたらドキドキしすぎて見ていられないかも…と私は思います(^-^;

 

今回は東野圭吾さんの『美しき凶器』について

 

  • あらすじやネタバレ
  • 感想や犯人の行動についての考察

 

を紹介していきます。

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美しき凶器の簡単なあらすじ

日浦有介ら4人は、仙堂医師の別荘に侵入しようとしていた。

彼らはかつて栄光を極めたスポーツ選手で、現在はその経歴を活かしてそれぞれの場所で活躍していた。

 

彼らには決して知られてはいけない秘密があった。

 

とある事件をきっかけにその秘密が世に出る可能性があると焦った彼らは、世間に公表される前にデータを盗もうと仙堂医師の別荘への侵入を決断した。

 

不在だと思い侵入した仙堂の別荘だったが、予想外に本人に出くわし、追いつめられた佐倉翔子はとっさに仙堂を射殺してしまう。

 

彼らは証拠隠滅のために別荘に火をつけ逃走。

 

しかし別荘にはまだ人がいたのだ。

 

タランチュラと呼ばれる特異な体形をしたその女は、仙堂が殺されるシーンを別室のモニターからしっかりと見ており、有介ら4人に復讐することを誓う。

 

タランチュラは目的を果たすためなら手段を選ばず、確実に有介ら4人の元に忍び寄ってきていた…。

 

4人は超越した身体能力を持つタランチュラから逃げ切れるのか?読みながらドキドキが止まらない傑作サスペンス!

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美しき凶器の詳しいあらすじとネタバレ

ここからはネタバレを含む詳しいあらすじを紹介していきますので、未読の方は注意してくださいね。

 

予期せぬ殺人と放火

有介ら4人は、とある別荘に忍び込もうとしていた。

彼らはかつて栄光を極めたスポーツ選手であり、その経歴を活かしてそれぞれの場所で活躍していた。

 

彼らには絶対に知られてはいけない秘密があり、その秘密に関するデータを持っているのが仙堂医師だった。

とある事件をきっかけに秘密が公表される可能性を感じ取った4人は、仙堂の別荘に侵入しデータを盗み出そうとしていた。

 

侵入はうまくいったと思っていたが、仙堂は別室のモニターから彼らの行動をすべて把握しており、銃を持って彼らの前に現れた。

 

追いつめられた翔子は、奪い取った銃で仙堂を射殺してしまう。

 

予期せず殺人を犯してしまった上に、当初の目的であった彼らの秘密に関するデータも見つけることができず、苦肉の策として別荘に火をつけ、彼らは逃走したのだった。

犯罪を犯してまでも守りたい秘密。しかもそれが一人じゃなく四人の気持ちが一致して…って相当なことだよね。

タランチュラの逃走

別荘の裏にはコンクリート塀の倉庫があった。

タランチュラと呼ばれる特異な体形を持つその女は、倉庫の中から仙堂が殺され焼けていくシーンをモニター越しにずっと見ており、その犯行を行った四人の顔と、コンピュータから得た彼らの名前と住所をしっかりと記録した。

 

仙堂の遺体から倉庫のカギと思われる遺留品が見つかったことで、一人の警官が現場に出向いた。

 

人がいるなどと思ってもいなかった巡査は、倉庫を開けた瞬間、天井に張り付いていたタランチュラに襲われ、何かを考える間もなく殺害されてしまった。

 

タランチュラは逃走後、近くの空別荘に侵入し、着替えと自転車を手に入れていた。

  • 推定身長190センチ
  • 異常に長い手足
  • 褐色の肌の外国人

 

この目立つ容姿により、目撃情報が徐々に集まり始めた。

このタランチュラを想像してみるんだけど、どんな感じか実写で見てみたいなぁと思っちゃう。

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タランチュラの目的

有介ら4人は、別荘の裏の倉庫から警官の殺害遺体が見つかったことをニュースで知り集まっていた。

 

警官を殺したのは通称タランチュラと呼ばれる外国人の女で、仙堂がひそかに育てていた秘密兵器だという。

タランチュラは自分たちの犯行を見ていた可能性があり、現場から逃走した目的は復讐、つまり自分たちを殺しに来るのではないかと4人は結論付けた。

 

命を狙われることになった4人だが、一方で「無事に来てもらわないと困る」とも考えていた。

 

タランチュラがもし途中で警察に捕まってしまった時、所持品や供述内容によっては自分たちの秘密が明るみに出る可能性があるのだ。

 

一方、警察の方でも、女は逃走しているのではなく犯人を追っているのではないかという仮説を立て始めていた。

そして何よりも重要なことは、タランチュラは殺した警官の銃を奪って逃走しているということだった。

秘密を守るために罪を犯し、そのことによってさらに状況が悪くなっていく。もう後戻りできなくなってしまってるね。

一人目

自転車で山梨から東京を目指していたタランチュラだったが、途中で親切にするふりをして強姦目的で近づいてきた若い男2人をいとも簡単に殺し、何事もなかったかのように目的地へと急いだ。

 

復讐相手の一人、安生拓馬(あんじょうたくま)が経営するスポーツクラブに辿り着いた。

重量挙げの元選手である安生は4人の中で最も体格が良く、タランチュラと対等に戦える可能性がある唯一の人物だった。

 

自宅に不審な電話がかかってきたという妻からの報告を受け、何かを察した安生はこの日あえてスポーツクラブにとどまっていた。

 

タランチュラの侵入を察知し、安生はあえて暗闇の中でホームグラウンドという有利な条件を利用し果敢に立ち向かったが、ついに殺されてしまった。

 

一番体格がいい人が一番に殺される。それによって残された3人の恐怖感は一気に増す。それもまた東野圭吾のうまいところだなぁと思う。

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二人目ターゲット変更

元陸上選手で現在は企業の陸上部コーチをしている丹羽潤也(にわ じゅんや)は、安生殺害の件を受けて身の危険を感じ、八王子にある陸上部の寄宿舎に住まいを変えることにした。

 

一方、タランチュラは安生を殺害した後、次に近い翔子のマンションに狙いを定めていた。

 

地下駐車場で翔子の帰りを半日以上待ったが、翔子は現れずタランチュラはいったん諦め、ターゲットを潤也に変更した。

 

タランチュラは控えてきた住所を元に潤也の家に辿り着いたが、部屋のドアには「しばらく留守にする、御用の方はこちらまで」といった張り紙がされていた。

 

タランチュラには解読不能な文字もあったが、張り紙ごと持ち去り、タクシー運転手に見せることで再び潤也の現在地へと向かった。

タランチュラから逃げているはずなのに、なぜ自分の居場所を示すような張り紙を残していた?おバカさん?と思ってしまったのだけど、これもちゃんと意味があったのだと最後にわかります。

4人の秘密

警察は、殺された仙堂の身辺調査から真相に辿り着きつつあった。

 

  • 有介
  • 翔子
  • 潤也
  • 拓馬

 

の4人は現役時代、仙堂の元でドーピングに手を染めていたのだ。

 

これが彼らが罪を犯してでも隠したい秘密だった。

 

仙堂はドーピングの研究者であり、一般の検査では引っかからない薬物を使って選手たちに次々と結果を出させていたのだ。

 

その発覚を恐れた元スポーツ選手の誰かが仙堂殺害に関与しているのではないか、また、タランチュラは仙堂が育てたドーピング漬けの秘密兵器ではないかというところまで警察は目途をつけていた。

 

次にタランチュラに狙われる可能性がある、つまり仙堂殺害に関与している可能性がある元スポーツ選手として、丹羽潤也の名前が挙がっていた。

丹羽潤也の名前が挙がった頃、すでにタランチュラは潤也の元へ向かっていて…警察~!急いで~!

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二人目

タランチュラは陸上部の練習風景などをしばらく観察した上で、丹羽潤也を確実に誘い出す方法を考え計画した。

 

潤也の教え子を拉致することで見事潤也をおびき寄せたタランチュラは、ここでも驚くべき身体能力を発揮した。

元陸上選手の潤也もタランチュラの超越した脚力には全くかなわず、陸上用の槍に射抜かれるという壮絶な殺害方法で命を落としたのだった。

 

現場から再び自転車で逃走したタランチュラは、彼女の道中を妨害したバイク集団の男を二人殺害しながら都心に戻って来ていた。

とんでもない身体能力を持っていて、それでいて男性を惹きつける魅力もある…タランチュラってどんな女なんだ

迫りくるタランチュラ

タランチュラが続いて向かったのは日浦有介の自宅だった。

しかし有介は最近引っ越しをしており、タランチュラが持っているのは古い住所データだったため、散々待ち伏せた挙句現れたのは全く無関係の若い女性だった。

 

その女性を脅して不動産屋から有介の新しい住所を聞き出したタランチュラは、有介の元へと向かった。

 

有介はタランチュラが持っているのは古い住所データだろうから自分のところには来られないのではないかという淡い期待を持っていたが、嫌な予感がよぎり以前の不動産屋に問い合わせた結果、自分の新住所がタランチュラに渡ったことを知り身の毛がよだつ思いだった。

 

急いで自宅に帰り、身重の妻を実家へ避難させた。

 

そして自分は、翔子と共に、タランチュラをおびき寄せて殺すことを決断する。

仲間が二人殺されているこの状況でもまだ秘密を守ろうとする…理解できん:;(∩´﹏`∩);:

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タランチュラとの対決

多摩川近くの公園がタランチュラとの対決に選んだ場所だった。

タランチュラを待つ車の中で、有介は翔子に一緒に自首をしようと持ち掛ける。

 

しかし翔子は捕まるくらいなら死んだ方がましだと言い放った。

 

その時、タランチュラがローラースケートで公園に現れた。

翔子は車のエンジンをかけ、タランチュラをひき殺そうとしたが、簡単にはいかず、有介は外に投げ出され、車も途中で動かなくなり翔子はタランチュラと一対一で向き合う形になってしまった。

 

元新体操選手の翔子は身軽な体でタランチュラから必死で逃げたが、ついに追いつかれた。

 

その時、車から投げ出され少し離れたところにいた有介は、銃声を聞いた。

 

タランチュラはついに三人目となる翔子を殺したのか?だとすれば次はいよいよ有介の番か?

 

 

ここから東野圭吾ワールドの大どんでん返しが始まります。

伏線も一気に回収されます。ぜひ小説を手に取って驚きの結末を読んでみてくださいね!

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美しき凶器の感想や考察

美しき凶器は発売から25年以上も経っている東野圭吾さんの初期の作品です。

時代背景などは確かに今と違う部分もあるのですが(携帯電話がないとか)、でも今読んでも全く違和感はないですね。

 

一番印象に残っているのが、復讐鬼となるタランチュラ、この女性の名前が最後まで登場しないことです。

ここまで重要な登場人物で名前がないというのは逆にものすごく印象に残ります。

 

名前も明かされなかったこの女性がなぜ、こうも迷いなく仙堂の復讐に一直線になれたのか?

 

薬漬けにされて体も改造されて、しかも倉庫に軟禁状態で…

 

と、読んでいると疑問に思わずにはいられないのですが、その理由については翔子が終盤で語っています。

 

この翔子の言うことが本当だとしたら、仙堂っていう男は本当にとんでもないヤツですね。

4人の行動を正当化するつもりはないけど、でも仙堂は殺されて当然の人物だったかと思います。

 

「美しき凶器」は、一見謎解きサスペンスではないのですが、最後のどんでん返しを見ると、さすが東野圭吾!ただでは終わらせなかったか~とうなりたくなります。

 

かなり前の作品ですが、読んでいる人は今でもたくさんいますよ~。

世界陸上まともに観れないwwわからなくもない

そうなんです!迫りくる恐怖感は実際に読まないと感じられないと思います!

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まとめ

今回は東野圭吾さんの「美しき凶器」のあらすじネタバレと考察についてまとめました。

 

私は東野圭吾さんが大好きなんで、いつでも何割増しかに褒めすぎるところがありますが、それでもやっぱり面白い!

 

タランチュラが迫ってくる恐怖感を見事に表現しているこの作品の面白さは、実際に読んでこそです!

そして最後のどんでん返しも想定のはるか上を行く感じで、エンターテイメントとしても大いに楽しめる作品です!

 

 

まだ未読の方はぜひ読んでみてくださいね!

 

 

では、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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