【ロマンスドール】原作小説のあらすじネタバレは?感想や口コミも紹介!

ロマンスドールの表紙

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タナダユキさんの「ロマンスドール」は2009年2月に単行本として発売されましたが、その後絶版となっており、しばらくの間は電子書籍でしか読む方法がない状態でした。

 

ですが、映画化を期に2019年11月25日に文庫本の発売が決まりました!!

 

電子書籍もいいけれど、やっぱり本は紙でしょ!!という方には待望の文庫本ですよね。

 

そんな大注目のロマンスドールですが、ストーリーや設定が衝撃的ということでも話題です。

 

この記事では、小説「ロマンスドール」の

  • あらすじやネタバレ
  • 感想や口コミ

について紹介します。

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【ロマンスドール】原作小説の簡単なあらすじ

美大の彫刻科を卒業した哲雄は、就職先が見つからずぶらぶらしていた。

ある日、美大時代の先輩から仕事を紹介される。

 

それは、ラブドールを作る仕事だった。

工場で働く先輩職人を見て興味を持ち、また、彫刻科で学んだ知識や技術が生かせると感じた哲雄はここで働くことを決める。

先輩職人と共に試行錯誤を繰り返す中で、よりリアルで人に近い乳房を作りたいと考え、プロのモデルに乳房の型取りを(乳がん患者のための疑似乳房を作ると嘘をついて)させてもらうことを決める。

 

そしてやってきたのが、園子だった。

哲雄はほぼ一目ぼれ状態で、園子にその日のうちに告白し、二人は数か月の付き合いを経て夫婦となった。

しかし哲雄は、自分の仕事が実は医療関係者などではなく、ラブドールを作ることだということをどうしても言えずにいた。

 

 

大好きで結婚したはずの夫婦でも、年月の経過とともに変化していく二人の関係。男性の気持ちをリアルに描く大人のラブストーリー。

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【ロマンスドール】原作小説のあらすじネタバレ

ここからはネタバレを含む詳しいあらすじを紹介していきますので、未読の方はご注意くださいね。

 

ラブドール工場への就職

美大の彫刻科を卒業し、彫刻とは全く関係のないバイトをしながらふらふらしていた哲雄は、大学時代の先輩の加藤から仕事を紹介される。

どこに行くのか、どんな仕事かも聞かされないまま連れて行かれたのは、ラブドール工場だった。

そこにあったドールは、哲雄がイメージするラブドールは全く違う高度な技術を持って作られたリアルなものだった。

ヤバイ仕事なんじゃないか?と尻込みする哲雄の前に現れたのは、その工場の唯一の職人(造形士)である相川だった。

 

後継者を探している、会社の存続をかけて新しい素材でのドール作りに挑戦しているが行き詰っている、新しい素材はシリコンで…

 

そんな話を聞くうち、哲雄は「やりますよ」と答えていた。

 

最初からかなりぶっ飛んだ設定ですよね。ラブドール職人…そりゃそういう職業の人もいるでしょうが、なかなか小説に登場したことはなかったのではないでしょうか。

 

新しいラブドール作り

これまでのラブドールの素材は塩化ビニルが主流だったが、市場の落ち込みからの回復を狙って二人が作ろうとしていたのはシリコン素材のドールだった。

 

シリコン製のドール作りは簡単ではなく、2年半の歳月をかけて二人は試行錯誤を繰り返し、ようやく満足行く試作品が完成した。

しかし、自信をもって臨んだ社長のチェックの日、「胸がダメ。」形も手触りもリアルじゃない、これでは客は満足しないと一蹴されてしまう。

 

二人でぼやきながら酒を飲んでいた時、相川が「生身の人間で型を取るのはどうか」と言い出した。

しかしそれを誰に頼むのか?ラブドール作りと言って協力してくれる女性がどこにいるのかという問題に行き詰り、プロのモデルに頼むのはどうかという結論に行きついた。

 

ただし、あくまでもラブドール作りということは伏せ、「乳がんで乳房を切除した人のための疑似乳房を作るため」ということにした。

乳がん云々はとっても不謹慎ですが、でも真剣に取り組んでいるという職人魂は感じられましたね。

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園子との出会い

表向きは疑似乳房作りなので、相川と哲雄は医療関係者のふりをすることにし、白衣まで着用した。

「どうせなら可愛い子がいい」とか「めちゃくちゃ貧乳だったらどうする」などと勝手なことを言いながら迎えた当日、やってきたモデルはとても美しく魅力的な女性で、これが園子との出会いだった。

 

座った状態の胸と寝た状態の胸の二種類の型を取る予定をしており、胸のまわりをぐるりと石膏で囲い、乾くまで30分以上身動きせずにいるということがモデルには求められた。

哲雄は美大時代に裸の女性モデルは見慣れていたが、至近距離で胸に直接石膏を塗る作業にめちゃくちゃ緊張していた。

 

無事に型取りを終え、園子はモデル料を受け取って工場を去った。

 

この時すでに園子に一目ぼれしてしまっていた哲雄は、園子の忘れ物のピアスを見つけるとここぞとばかりに園子の後を追った。

追いついたところで、ド直球で告白、園子からもOKの返事をもらい、二人は恋人同士となった。

このあたり、若干理解できないww
一目ぼれする哲雄はさておき、そこでOKする園子の心境よ…

 

結婚

園子との出会いから一か月後、無事に社長チェックをパスし、晴れて市場に送り出されたラブドールは大ヒット商品となった。

大量の注文をさばくため、哲雄は数か月に渡ってふらふらになるまで働いたが、自分の仕事がラブドール職人であることをどうしても園子に言えずにいた。

 

一緒に年越しを迎えた瞬間、哲雄は園子にプロポーズし、双方の両親にも祝われて二人は結婚した。

ささやかな結婚式を挙げ二人でつつましく暮らしていたが、ラブドールが大ヒットしたおかげで仕事はずっと忙しい状態が続いており、毎日働きづめで哲雄はとにかく疲れていた。

自然と二人はセックスレスになっていった。

自分の職業を隠したまま結婚…言いにくいのはわかるけど、何ひとついいことがない気がするなぁ。

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気持ちの変化

園子は素晴らしい妻だった。

料理はうまい、いつでも優しい、美しく若々しい、共働きだが家事は完璧にやってくれる、そんな誰もがうらやむ妻を哲雄は女性として見られなくなっていた。

二人の間に子供はいなかったが、哲雄はまだいらないと思っていた。

子供のことを考えると、ますます夫婦の営みから気持ちが遠ざかっていった。

 

久々に会った先輩と飲みにいった帰り、一人で立ち寄ったバーが気に入り、たびたび仕事帰りに寄るようになった。

飲んで帰ると胃に優しい夜食を用意して待ってくれている園子、そんな優しい妻の存在を哲雄は息苦しいと感じるようになっていた。

そしてますます酒を飲むようになった。

女性の立場からすると、なんつーワガママ。なんつー勝手な論理。と思うけど、だからこそリアル感がすごい。

不倫

いつものように飲みに行った時に出会った理香という女性と不倫関係になった。

哲雄は理香を遊び相手としか考えていなかったが、理香は次第に結婚を迫るようになってくる。

 

そんな時、相川から「不倫してるだろ」と指摘される。

そして、自分の経験を交えて哲雄に「自分がしていることは、相手にもされていると思った方がいい」と諭す。

 

哲雄はふと気づく。

自分たち夫婦は喧嘩をしない、強い主張もしない、でもそれは仲が良いこととは違う。

大切なことを何も話せない、明らかに夫婦関係がおかしくなっているのに向き合おうとしていないのだった。

 

それでも哲雄は向き合うことから逃げ続けた。

夫婦関係は本当に難しい。こじれてしまうと話し合うこともできなくなってしまう。このまますれ違って離婚にいたる夫婦はたくさんいるのではないだろうか。

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園子の浮気疑惑

ライバル会社が多数参入してきたことによりドールの売り上げが落ち、哲雄はシリコンよりさらに難しい熱可塑性エラストマーによるドール作りを求められていた。

めずらしく早く帰宅した哲雄は、園子が自宅にいないことにそわそわする。

相川に言われた「自分がしていることは相手にもされていると思え」という言葉を反芻しながら待っていると、園子は夜遅く男に付き添われて酔って帰宅した。

浮気しているんじゃないか?と園子を責め、気まずい空気が流れたがまたしても夫婦は向き合うことなく日常生活を送った。

 

不倫相手の理香とは徐々に会う回数を減らし、早く帰宅する日を増やすようにしたが、一方で園子はたびたび帰宅が遅くなる時があった。

それはいつも急であり、数日間実家に帰ると言って家を空けたこともあった。

ますます哲雄は園子の浮気を疑っていった。

 

ついに口論となり、園子は「ホテルに行った」と告白する。

 

二人の関係は最悪だった。

 

あーあ…最悪の展開。自分は不倫しているのに妻にされると激高するんだね。勝手だと思うけど、それもまた人間臭くてリアルだなと思う。

別れ話

理香ときっちり別れて園子に謝って、もう一度やり直そうと考えていた哲雄に、園子は「別れよう」と切り出す。

突然のことに戸惑っていると、家のインターホンが鳴った。理香だった。

 

そこからは修羅場。

妻と不倫相手の二人から責められ、理香は物を投げ、壊し、暴れた。

園子に言われ、哲雄と理香は二人で話し合うことになり、ようやく別れ話に決着がついた。

 

改めて哲雄は、園子にやり直したいと強く訴える。

 

二人は、もう一度頑張ってみようとやり直すことを決意する。

 

このあたりのやり取りは、自分が独身だったら理解できなかったかもしれないと思う。なぜこんな情けない哲雄とやり直そうとするのか、と園子には共感できなかったかも。

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園子の秘密

理香のことがあってから、二人は努力して一緒に過ごす時間を作った。

しばらくして、哲雄は久々に園子に求めてみたのだが、園子には拒否されてしまった。

これは結婚以来初めてのことだった。

 

そしてそんな状態が数か月も続いた。

哲雄は、こんな状態にしてしまったのは自分のせいだと考えていた。

 

ある日、哲雄は園子の後をつけてみることにした。

すると園子は総合病院に入って行った。

その日の夜園子を問い詰めると、園子は「やっぱり別れよう」と言い出した。

 

なぜそうなるのか?何を隠しているのか?

 

園子は、ちゃんと話すから一週間待って欲しいと哲雄に頼む。

哲雄もまた、ずっと隠してきた自分の仕事のことを園子に告白しようと決意した。

園子が病院に行っていたことがわかるような伏線は何度かあったのだけど、哲雄は全く気付いていなかったってことですね。そして仕事のことやっと言うんかーい。

園子の告白

自分から先に告白することにした哲雄。

自分の職業が実はラブドール作りであることを伝えると、そんなことはずっと前から知ってたと園子には笑い飛ばされてしまった。

 

そして園子は、自分は癌だと告白した。

 

発覚した時は初期で、入院も短くて済んだので哲雄には実家に帰るということにして一人で手術を受けた。

そして今日、再発していると宣告を受けたと園子は語った。

園子が哲雄と別れようとしていた理由はこれだった。

 

経済的に迷惑をかける、看病は大変だから、そんなことを気にして夫に病気のことを隠していた園子をこんな風にしたのは、自分たちがずっと向き合ってこなかったからだと哲雄は自分を責めた。

 

一緒に頑張ろう、哲雄は園子を励ました。

哲雄だけが悪いのではない。二人の問題だよね。夫婦関係っていうのは本当に奥が深くて難しいなぁ。

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闘病

園子の手術は無事に成功した。

数か月後、再発もなく体調も良くなった園子と哲雄はとても穏やかな日々を送っていた。

セックスレスは相変わらずだったが、手をつないで眠るだけで満たされていた。

 

晴れてオープンになったので哲雄の仕事の話も家でできるようになり、園子はアイデアを出してくれたりと二人はいまだかつてない良好な夫婦関係を築いていた。

 

それから数か月後、園子の胃がんが再発した。

再度手術をし、胃の2/3を摘出した園子はその後順調に回復し再び穏やかな生活を取り戻しつつあった。

内容に関わらず、やっぱり家で仕事の話ができないっていうのはなかなかしんどいと思う。園子の病気のことはあるけれど、夫婦関係に関してはとても良好で読んでてもほっとする。

園子の願い

ある日、園子が「自分を作って欲しい」と哲雄に言う。

 

それは二人が出会ってから初めての園子からの誘いだった。

 

その日を境に、二人は毎日抱き合った。

哲雄は熱可塑性エラストマーでのドール作りに相当苦戦しており完全に行き詰っていたが、園子との夫婦関係復活をきっかけに一気にドール作りは波に乗って進んで行った。

 

しかし一方で哲雄は気づいていた。

日に日に園子が痩せ細っていっていることに。

 

誰の目にも明らかに急激に痩せていった頃、転移がわかった。

手の施しようがない状態だった。

園子からのお誘いがあった時点で、もう長くないということが本人にはわかっていたのかもしれないな。

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園子の死

手の施しようがない状態だということは園子には伝えられなかった。

明らかに体調が良くない園子は、それでも毎晩のように哲雄を求めた。

「知っているんだ」と哲雄は感じた。

 

「自分を作って欲しい」と言った園子の真意は、遅々として進まない哲雄のドール作りに協力したいというのは表向きの理由で、死んでいく自分を何らかの形で残したいと考えたからではないかと哲雄は思った。

園子が望むなら僕は応えるしかない、自分にできることはもうそれしかない、日に日に医療用麻薬の量を増やし痩せていく園子を哲雄は毎晩抱いた。

 

九月のある日、二人は付き合いたてのカップルのように一日中ベッドの中で過ごした。

そして、園子は腹上死した。

衝撃的な死です。でも園子にとってはとても幸せな最期だったのだろうと思う。哲雄にとっても。

「園子」を作る

園子を失った喪失感と苦しみに耐えきれず洗濯機に首を突っ込んで死のうとしていた哲雄。

その時「私を作って欲しい」という園子の言葉を思い出す。

 

そして哲雄は、ほぼ完成していたエラストマー製ドールを一から作り直すことを決める。

その日から狂ったように製作に取りかかった。

 

園子の身長、園子の骨格(レントゲンを取り寄せた)、筋肉、内臓まで徹底的に園子を再現した。

あまりの没頭ぶりに工場の同僚からは気味悪がられ、食事や睡眠も忘れて作り続けた。

そして完璧なドールが完成した。

 

「その子1号」と名付けられた。

完璧に園子を再現しても、それをドールとして発売するんだよね(汗)そのあたりはちょっと理解が追い付かないです(>_<)

エンディング

哲雄は一人で海にいた。

 

砂浜の一角で中学生たちが騒いでおり、見に行ってみると浮き輪のようなものが流れ着いていた。

空気式のラブドールだった。

顔がブスでリアル感は全くない。

 

かつて哲雄が抱いていたラブドールのイメージそのものの姿に、哲雄は笑った。

空気式のドールを見ながら園子を思い出すこの最後のシーンがとても良かったです。

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【ロマンスドール】原作小説の感想

ラブドール職人という設定がまずぶっ飛んでますよね。

ドールの製作過程なども詳しく描かれているので、「へぇ~!」と純粋に興味を持って読めました。

 

一番リアルで(女性の立場として)読んでて辛いと感じたのが、「美人で優しくて家事も完璧で誰もがうらやむ妻」なのに、そんな妻の存在を息苦しく感じてしまうという男性心理。

 

私は女性だけど、何となくわからないでもない。

だからこそ余計にリアルで、辛いなぁと思いました。

 

そしてエンディングでとても印象に残ったセリフがあります。

哲雄が園子を思いながら言うセリフですが、二人の歴史が感じられるとても素敵なセリフなんです。

 

これは全編読んだ方に最後に読んでもらいたいセリフなので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

 

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【ロマンスドール】原作小説の口コミを紹介!

原作小説の口コミをいくつか紹介します。

哲雄、なかなかのクズ男、めちゃくちゃ共感!ホント、クズすぎるww

 

 

どこまで原作に忠実に映像化されるのかは気になります!

でも映画の監督が原作者のタナダユキさんなので、世界観を崩さずに映像化されるはず。期待したいですね。

 

夫婦の形って本当に夫婦それぞれで、他人には理解できないものがあると思う。見てるともどかしく切ない、でも「ありえない」とは思わない。そんな物語でした。

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【ロマンスドール】原作小説の電子書籍を無料で読むにはU-NEXTがオススメ

しばらく絶版で紙書籍が存在しなかったロマンスドールですが、映画化を機に2019年11月25日に文庫本が発売されます。

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こちらの記事にまとめていますので参考にしてみてくださいね。

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まとめ

今回は小説「ロマンスドール」のあらすじネタバレや感想口コミについてまとめました。

 

ロマンスドールは、はっきり言うと刺激的なストーリーです。

映画化されますが、子供には見せられない(/ω\)

 

ですが、ただ刺激的なだけではなく、夫婦愛や変化する夫婦関係についてものすごーーーーく考えさせられるし、涙が出るようなシーンもたくさんあります。

映画では高橋一生さんと蒼井優さんが夫婦役を演じられますが、イメージピッタリですね!

 

めちゃくちゃ楽しみです。

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