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半沢直樹シリーズ5作目となる『アルルカンと道化師』が発売になりました!
待ちに待った!!新作です。
ですが、新作が発売されると聞いて興奮したのもつかの間、「大阪西支店融資課長時代のストーリー」と聞いて拍子抜けしてしまった方も多いのではないでしょうか。
正直、私もその一人です。
半沢直樹は1~4と巻が進むにつれ、扱う案件の規模がどんどん大きくなり、4巻ではついに政治家に対峙しますよね。
ドラマも含めて大盛り上がりとなっている今、この先どうなるの!?というところへきて、今ごろ前日譚( ゚Д゚)
またしても大阪西支店に逆戻り。マジか….というのが本音です。
ですが、私は2日で一気に読み終えたのですが、読者の「えぇ~前日譚じゃなくて続編が読みたいのに!」というその気持ちを良い意味で大きく裏切る傑作だと思いました。
そんな半沢直樹シリーズ最新作の「アルルカンと道化師」のあらすじを、がっつり紹介しちゃいますよ~。
ネタバレも含みますので、未読の方はご注意くださいね。
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Contents
【アルルカンと道化師】あらすじやストーリーのネタバレ
アルルカンと道化師のあらすじやストーリーを紹介していきますが、ネタバレを含みますので、未読の方はご注意くださいね。
老舗出版社の仙波工藝社
東京中央銀行大阪西支店の融資課長である半沢直樹は、大阪営業本部(略して大阪営本)の伴野に頼まれて、取引先の一つである仙波工藝社に部下の中西とともに3人で出向きます。
仙波工藝社は100年の歴史を持つ老舗の美術系出版社ですが、ここ数年経営状況はよくありません。
そこへ伴野はM&A(企業の合併・買収)を提案します。
仙波社長は全く乗り気ではなく却下されますが、伴野はあきらめず、浅野支店長に根回しをしたりして、再三訪問を繰り返し仙波社長を説得します。
仙波工藝社を買収しようとしているのはジャッカルというIT系ベンチャー企業で、そこの田沼社長は成功者として誰もが知る有名人でした。
大型企画が流れてしまったこともありいよいよ資金繰りが難しくなってきたところに、ジャッカルからの買収金額を聞いて少々心が揺れます。
一方で、半沢はジャッカルからの提示金額があまりに高額であることに疑問を持っていました。
浅野支店長らの思惑
浅野支店長や、大阪営本副部長の和泉、業務統括部長の宝田らはどうにかしてジャッカルの買収案件を成立させたいと考えていました。
そのためには仙波工藝社を資金的に追い詰める必要があり、『今期の融資はしない』という結論を出します。
しかし、融資しないためにはそれなりの理由がなければなりません。
そこで浅野らが見つけてきたのが、仙波工藝社が5年前に計画倒産に関与した疑いがあるという事実でした。
このまま稟議が通らなければ仙波工藝社は倒産してしまうため、半沢らは本当に計画倒産に関与したのか調査を開始します。
そこにあったのは、2つのファミリーヒストリーでした。
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2つのファミリーヒストリー
仙波工藝社の社長は現在3代目ですが、かつて先代の頃に経営危機に陥ったことがありました。
その時に資金援助をしてもらったのが、母親の実家の堂島商店という企業でした。
しかし当時、仙波に支援したことにより今度は堂島が傾くという状況に陥ったことから、両家の仲がこじれてしまいました。
その後、堂島がどうにも立ち行かなくなった時に、今度は仙波がかつての借りを返す形で3億円を援助しました。
しかしその後、堂島は倒産。
この時の倒産が、状況から計画倒産である可能性が高く、東京中央銀行に15億円もの損失を与えてしまいます。
直前に3億円援助している仙波工藝社も計画倒産に関与していると疑われ、これが稟議が通らない理由になっていました。
半沢らは十分な調査の上、仙波工藝社に過失はないと判断しその旨を融資部にも報告します。
しかし、それでもやはり融資の承認が下りないのです。
次に融資部が出してきた条件は『担保があれば承認する』というものでした。
半沢らの調査で、仙波工藝社が担保を出せるとすれば、没交渉になっている堂島の助けを借りるしかないと結論付けます。
気が進まない仙波社長を説得し、堂島の人間と引き合わせることに成功し、さらに2つの家族間に誤解があったことも判明します。
堂島は、担保を出す条件として仙波工藝社の根本的な経営改革が必須と指摘し、仙波社長も覚悟を決めてリストラに乗り出します。
しかし、なかなかうまくいかずに頭を抱える中、ジャッカルの田沼社長からはM&Aに関してさらに破格の条件を提示されます。
やはり、何かある、半沢はそう確信するのでした。
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田沼の本当の目的
ジャッカルの田沼社長は、「アルルカンとピエロ」という有名な作品を残した仁科譲という現代アート画家の世界的な収集家でもありました。
仁科譲は若くして不遇の死を遂げており、現在の資産価値は大変なものでした。
仙波と堂島の対話から、
- かつて堂島商店に若かりし頃の仁科譲が勤めていたこと
- 仙波工藝社に本人たちも気づいていない何らかの資産があること
- この資産が見つかれば、担保として銀行からの融資を受けられる可能性があること
が判明します。
半沢は探偵となって莫大な資料の中から宝探しを開始します。
そしてついに、そのお宝が何だったのか、田沼社長の本当の目的が何だったのかを突き止めました。
ここから半沢の反撃が開始します。
裏で画策した浅野支店長らへの「倍返し」は今回はどのような形で行われるのか、ここから先は実際に本を手にとって読んでみてくださいね。
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【アルルカンと道化師】の感想
正直、さすが池井戸潤さん!と思いました。
シリーズ5作目、誰もが本当は続編を期待していたはずです。
ここまで盛り上がってきて前日譚を持ってくる池井戸さんの勇気もすごいと思いますし、それで読者を納得させるだけの自信もあったのでしょう。
プレッシャーもすごかったのではないでしょうか。
半沢直樹らしからぬ謎解きシーン
今回の作品の特徴は、半沢直樹シリーズらしからぬ謎解きシーンです。
これまでも半沢直樹は「裏で何が行われているのか」とか「誰が黒幕か」のような謎とは常に戦ってきましたが、今回の謎解きは、まるで別の作品を読んでいるかのような錯覚を起こす展開でした。
ここまで一企業の過去の物語を掘り下げて、家族同士の絆などを描いた半沢シリーズはなかったです。
本作発売にあたって、池井戸潤さんはインタビューに答えていらっしゃいますが、実際に
新作「半沢直樹 アルルカンと道化師」はミステリーとして書いた作品ですので、期待していただければ、と思っています。
引用:BOOKウォッチ
このようにおっしゃっていますね。
やはりミステリー要素が強いんですね。
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半沢直樹の銀行員としての原点がよく伝わる
こちらも池井戸潤さんのインタビューからですが、
第3作『ロスジェネの逆襲』と第4作『銀翼のイカロス』では戦う相手を大きくした結果、等身大の銀行員目線からかけ離れてしまったのが気になっていました。
そこで今回は、原点に立ち戻り、中小零細企業を取引相手にする銀行員としての卑近な戦いを描きたいと考えました。
引用:BOOKウォッチ
半沢直樹の銀行員としての原点を描きたかったとおっしゃっている通り、ここまで強大な敵と対峙していた時とは違う半沢直樹の銀行員としてのポリシーがよく伝わってくる作品でした。
そしてこれは池井戸さんの技術のたまものだと思いますが、相手が中小企業になり規模が小さくなっても読んでいて全く見劣りせず、とても面白く読み進めることができました。
妻の花ちゃんのキャラがちょっと変わった気がした
本作では妻の花が登場しますが、原作をすべて読んだ私の印象。
小説に登場する花は
- 現役バリバリのキャリアウーマン
- 夫の仕事に興味がない
- 夫婦仲はあまりよくなさそう
という設定なんですよね。
詳しくはこちらの記事もどうぞ↓↓
口調もキツイ印象を与えるセリフが多いのですが、本作ではその印象が違いました。
ドラマの花ちゃんのように明るくて、半沢に寄り添っているようなキャラ設定になっていました。
これは、ドラマの影響を受けた池井戸さんがあえてそうしたのか?
それとも、前日譚ということで、このあと何かがあって半沢夫妻は仲が悪くなってしまったのか?
このあたりは想像するしかありませんが、そのあたりも気にしながら読むと楽しいかもしれませんね。
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まとめ
半沢直樹シリーズの待望の最新刊「アルルカンと道化師」のあらすじネタバレと感想を紹介しました。
- シリーズ1~4巻に続くストーリーではなく、大阪西支店が舞台の前日譚
- 中小企業を取引相手とする半沢直樹の銀行員としての原点
- ミステリー要素を含んだ、今までの半沢シリーズとは毛色の違うストーリー
シリーズ4巻では、帝国航空という国内最大クラスの企業を相手にし、大物政治家とも戦ってきた半沢直樹が、これ以上大きくなるとしたら次はなんだ!?と思っていたので、前日譚というのは正直拍子抜けしました。
ですが、ここであえて前日譚を出してきた池井戸さんの意図するところがよくわかるようなストーリーでした。
半沢直樹は相変わらずカッコイイ!
そして読後のスッキリ感もいつも通り!
どんなストーリーなのかなと気になってこちらの記事にたどり着いた方に、自信をもってオススメできます!
ぜひ読んでみてくださいね!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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